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はじまりのメッセージ

「借りものでも間に合わせでもない、自分専用のうつわがあることでこんなにも心が癒されるのだ」
わたしたちは今回の震災でたくさんのものを失いました。
大事な家族や友人、住み慣れた家はもちろんのこと、小さくともかけがえのない思い出の品々も。
その品々の中には日々使い続けていたうつわも数多く含まれていました。
しかし、命が助かったのだからうつわを失ったという些細な出来事は胸の奥に閉じ込めて、
悲しみを忘れてしまおうとしていました。
被災地では、うつわのことどころではない日々が続いていたことは確かです。
しかし本当に「うつわどころではない」と切り捨ててしまってよいのだろうかという
疑問が湧きました。
うつわには人の気持ちを悲しませたり、喜ばせたり感情を揺り動かす何かがあるのかもしれない。
そうでなければ、ただの「もの」であるはずのうつわが割れてしまったことで、
こんなにも多くの人々が悲しむはずはないのです。
馴染みのない街で避難生活をする中、自分専用のうつわがあるだけで
心がほっとするのはなぜなのでしょう。
どうやら、うつわには特別な力があるらしい。
うつわの力で被災した人を元気にできないだろうか。
うつわによって気持ちが救われる人もたくさんいるのではないだろうか。
震災後、多くのものを失い何も手に入らない生活を初めて経験しました。
今まで当然のように感じていた幸せがとても尊いものだと知りました。
人の血が通った品物を、自分で選んで手に入れることの喜びをこれほど感じたことはありません。
この思いを何らかのかたちにしたい。元気をなくした被災地に届けたい。
様々な人の協力のもとに「うつわのチカラのわ」は生まれました。
日本全国のうつわにかかわる人たちの「チカラ」が「わ」になりつつあります。
仙台だからできること、仙台にしかできないこと、うつわだからできること、
うつわにしかできないことがきっとあるはずです。
小さな「チカラ」かもしれませんが、それが「わ」になれば、大きな「チカラ」に変わるかもしれません。
仙台から「うつわのチカラ」でたくさんの「わ」を作り、長く長くつないで行きましょう。